子どもの兄弟喧嘩で対応に困ることってありますよね?
あまりにも喧嘩が多いと親は無視をしたくなったりもします。
介入するとしたら、どうしていくのが良いか悩むことも多いはずです。
そんなお悩みに2児の母であり、元保育園園長のぴょんすけがお答えします!
- 子どもの兄弟喧嘩で親は無視するのが良いのか
- 子どもの兄弟喧嘩の介入の仕方
- 喧嘩中やその後の子どもへの対応
ぜひ最後まで読んでみてくださいね!
兄弟喧嘩で親は無視をするのが正しい?
最近、毎日のように喧嘩してる。
見てるだけでこっちが疲れちゃうわ。
ほっといたらいつの間にか仲良くなってるし、親は無視していてもいいんじゃない?
その方がお互いに気持ちが楽な気がするよ。
結論から言うと、兄弟喧嘩を親が無視するのは正しいとは言えません。
“無視”というのは、あるものをないように扱うことを言います。
喧嘩はもうすでに起こっているものです。
ないように扱うことなんてできませんよね。
“無視”ではなく“見守る”ようにしていきましょう。
なぜ見守ることが必要なのでしょう?
それにはいくつか理由があります。
- 喧嘩の内容を把握するため
- 危険な行為があった場合に止められるため
一つずつ見ていきましょう。
喧嘩の内容を把握するため
子どもは喧嘩となると感情的になり、突発的な言葉を口にします。
また、喧嘩の内容とは関係のない話や言葉が出てくることも場合によってはあるかもしれません。
そうなると何の話で喧嘩になったのか、子どもたち同士でわからなくなり『言った言ってない』
の喧嘩になってしまうのです。
『言った言ってない』の喧嘩は大人でも同じですが、埒があきません。
いくら仲裁に入っても、「やめなさい!」
としか言えなくなります。
結局子どもたちも不完全燃焼で不満は溜まり、また喧嘩を繰り返すことにもなり兼ねません。
そうならないためにも喧嘩の内容を大人がしっかりと把握し、仲裁が必要になった際に話を整理できるようにしておきましょう。
こんな場面はよくありませんか?
あぁ!ボクがつかってたのにHちゃんが車とったぁ!!
Hちゃんがつかってたの!!
あっちにお人形とりにいった時に車おいていったの。
Hちゃんが別のおもちゃを取りに行っている間に、置いてあった車のおもちゃをTくんが持って行ってしまったようです。
一部始終を見ていないとわかりにくい喧嘩ですが、子どもたちの会話からでもなんとなく喧嘩の原因がわかると思います。
Tくんの使っていたおもちゃを取ってしまったHちゃんが悪いようにも見えます。
ですが、Hちゃんが使っているのを知っていて置いて行った隙にTくんが持って行ってしまったらTくんにも原因があるのかもしれません。
Hちゃん使ってたの、Tくん知ってた?
Hちゃんも使ってたかもしれないけど、大事なものは手に持っていようね。
子どもたちの話を聞きながら整理していけば、どうしたら良かったのかも伝えられることができます。
『喧嘩になりそうだな』
と感じたら一旦様子を見てみるのも良いです。
危険な行為があった場合に止められるため
思いを上手く伝えられない子や多くの言葉を知らない年齢の子は、時として衝動的に手を出してしまうことがあります。
人に危害を加える行為は決して許されるものでも許すべきものでもありません。
それは兄弟だろうが、親だろうが、関係ないとぴょんすけは考えています。
最悪の場合は、怪我をしたり物が壊れることも考えられます。
手を出してしまった本人も実はとても傷つき、大きく反省しています。
時には『叩いてしまう自分は悪い子なんだ』
と自分を強く責めることもあるでしょう。
子どもの心を傷つけないためにも、事前に止められるように見守ることが大切です。
危険な行為があった場合は、喧嘩の内容よりもその行為自体を問題視してしまい、喧嘩の解決にはなりません。
あの時、おもちゃ貸して欲しかったけど「かして」って言っても貸してくれなかったから叩いちゃったんだよね…。
でも、そんな時はどうしたら良かったのかな?
どうやったら貸してもらえたのかな?
もしかしたら子どもはこんなことを思っているかもしれません。
方法がわからなければ、また同じ行為を繰り返します。
喧嘩の度に危険な行為があれば、親としてもヒヤヒヤしっぱなしで疲れてしまいますよね。
まずは危険な行為をしないように、させないように見守っていきましょう。
兄弟喧嘩介入の仕方
兄弟喧嘩は、基本的に子ども同士で解決できるよう大人がサポートしていくことが重要です。
喧嘩をすることは決して悪いことではありません。
人の気持ちを考えられる心が育ったり、自分の思いを主張する強さを育てるためにも必要なんです。
「喧嘩しないの!」
と言いたくなる気持ちはよくわかります。
喧嘩の行為自体を止めるのではなく、喧嘩にならないための言葉の使い方や解決方法をこどもと一緒に考えることで自然と喧嘩はなくなります。
こども同士で喧嘩を解決した時、それはこどもたちの成長と保護者のサポートのおかげと言えます。
解決方法をただ教えるのではなく、こどもと一緒に考えることが重要です!
こどもと一緒に考えることで、こども自身も考える力が身につきます。
考える力が身につけば喧嘩だけでなく、どんな困難でも解決する方法を自身で見つけていけるのです。
実際にどのようにして子どもと一緒に考えるのか事例を見てみましょう!
年齢の近い兄弟喧嘩・6〜3歳
年子や2歳差の兄弟になるとできることにあまり差がなく、友達感覚のような関係になれるところがあります。
同じ遊びを一緒に楽しんだり、年上の子の真似をしながら同じように遊べる年齢の近い兄弟は多いです。
同じ遊びをする中で考えや思いが一緒になれば仲良く遊べます。
その反面、考えや意見が違ってくるとぶつかり合いの喧嘩になりやすいのも事実あるはずです。
3歳頃になると言葉をしっかりと話すようになり、自分の思いを伝えられるようになります。
また、相手の気持ちを少しずつ考えられる年齢です。
しかし、まだまだ言葉のバリエーションは少なく、上手く伝えられないことも多いです。
そして、相手の気持ちを理解しながらも自分の思いを優先する気持ちを強く持っています。
これは年齢に関係なく、4歳・5歳・6歳でも起こると思っていてほしいです。
「もう6歳だから」
「もう5歳なのに」
とあまり深く考えずにこどもの成長に合わせて対応していきましょう。
こどもの成長をわかっていると、喧嘩の介入をする時も心穏やかに対応できそうですよね!
ここからは事例です。
大きな建物が作りたいのにブロックが足りないよ。
Iちゃん、持って行かないで!
Iちゃんはこっちでお家作ってるんだもん。
ブロック使わないとダメなの!
Gくんは建物が作りたくてIちゃんはお家が作りたいんだ。
2人ともブロックが必要なんだね。
どうしたらいいかなー?
まずは2人の気持ちを受け止めつつ、どうしたら良いかをこどもたちに投げかけてみましょう。
わかんない。
Eくんが違う遊びをしたらいいよ!
ボクもわかんない。
それは嫌だ!
ママが2人投げかけたことで、こどもたちから意見が聞かれ、自然とこども同士で解決に向けた会話がされることもあります。
もし、2人で話しているうちに解決ができそうなら見守りましょう。
解決ができた時は、
2人で話し合って決めたんだね。
じゃあ、そうしよう!
などと声をかけ、解決したことを言葉にして喧嘩が終わったのを自然に知らせましょう。
自分たちで決めたことなので、引きずることもなくスッキリしているはずですよ。
もし、2人で解決ができなそうであれば少しだけ言葉をかけ解決に導いていきましょう。
そうか、わかんないか。
じゃあ、こんなのはどう?
ブロックじゃないものを使って建物やお家を作るのは?
あくまでも保護者が解決をするのではなく、こども達が決定していく方法を取っていきましょう。
こども達が自分で決めたことや言った言葉に“責任”という重みがあるということを、少しずつ理解していけますよ。
年齢の離れた兄弟喧嘩・6〜0歳
年齢の離れた兄弟となれば、喧嘩というよりは互いの遊びを邪魔したされたという不満の方が多いかもしれません。
ぴょんすけのこども達も6歳と1歳の学年4つ差兄妹です。
兄のしている遊びが気になる妹が邪魔をして怒られ、抱いた不満を妹がぶつけるという喧嘩をしょっちゅうしています…。
一番は喧嘩にならないように互いの遊びを確保することですが、一人ずつの部屋を用意するのが難しい場合もあります。
上の子も下の子も「ママと一緒に遊びたい」
とママの取り合いになって、みんなで同じ遊びをすることもあると思います。
0〜2歳くらいのこどもに「取っちゃダメ」
を教えるのはなかなか難しいです。
そうなると年上の子にどうしたら良いのかを考えてもらうことになります。
保護者が一緒に考え、少しでも互いに穏やかに遊べるようにしていきたいですね。
事例です。
もう!今きれいに色塗ってたのにはみ出しちゃった!
あっち行って!
(おねえちゃんと同じことがしたいな)
はみ出しちゃったのは嫌だったね。
YくんもSちゃんと同じように遊びたいのかも。
どうしようか?
まずは、上の子の気持ちはしっかりと汲んであげましょう。
それから下の子の思いを代弁し、どうしたら良いかを上の子と一緒に考えていきましょう。
一緒に考えることが重要です。
次同じような場面になれば自ら回避する行動を取るようになります。
次同じ場面になって自分で回避できたら、その時は褒めてあげてください。
Sちゃん、前にYくんに邪魔されて嫌だったもんね。
ちゃんと自分で考えて、ゆっくりお絵描きできるところ見つけたんだ。
上の子の行動を言葉にするだけで、『これで良かったんだ』
『こうしたら上手くいった』
という成功体験を積むことができ、下の子との衝突が少なくなります。
自分の遊びが守られ、安心して遊べれば余裕も生まれます。
もしかしたら自然と下の子と一緒に遊ぶ機会も増えていくかもしれません。
下の子には、どれだけ小さくても関わり方やルールは伝えていきましょう。
取ったらダメよ。
「かして」だよ。
お姉ちゃんと一緒に遊びたい時は「あそぼ」だよ。
小さくても周りの行動や言葉をよく見て聞いています。
一緒に「かして」
のジェスチャーをしてみるのも良いです。
ある程度年齢を重ねれば、上の子の気持ちも伝えてみてください。
相手にも自分と同じように気持ちがあるといつの日か気づきます。
兄弟喧嘩子どもの対応
兄弟喧嘩をすると様々な感情が動きます。
時には上手く喧嘩が解決できずに有耶無耶になることもあるかもしれません。
感情が抑えきれず、人の話が耳に入らないようであれば落ち着くまでそっとしておくのも良しです。
こどもをそっとしておくのであれば、「ここにいるからね、落ち着いたら話しにおいで」
と声をかけてあげてください。
『ちゃんと待ってくれている』
『見放されたのではなく、側にいてくれている』
と安心感が生まれ、落ち着きも早いです。
落ち着いたら何事もなく、遊びに行ってしまうかもしれませんが、できることなら一回話してあげてください。
落ち着いた?ママ待ってたんだけどな。
一回お話ししよう。
落ち着いて話すことで喧嘩の内容を整理でき、自分の行動を見つめ直すきっかけにもなります。
解決できなかったことを責めるのではなく、「こうしたら良かったかもね」
「こう言えば伝わったかも」
とアドバイスをしながら、次同じようなことが起きた時の行動を考えられるといいですね。
時には「〇〇ちゃんはこうしたかったんだよね?」
と代弁することも必要です。
自分で上手く気持ちが言えない子には、代弁してもらうことで気持ちが晴れることもあるんです。
また、自分では気付かなかった感情や思いに気付くこともあります。
こども一人ひとりで対応の仕方は変わってきますが、基本的には同じなんです。
話を聞いて欲しくない子、ほっといて欲しい子なんていません。
いつでも見守り、話を聞くよ、側にいるよ、とメッセージを残すのが大切です。
こども達には『自分は一人じゃない』ことを小さいうちから知っていて欲しいと思います。
まとめ:兄弟喧嘩で親は無視をするのが正しい?
兄弟喧嘩で親は無視をするのが正しいのか?
介入の仕方や子どもの対応を紹介してきました。
兄弟喧嘩で親は無視するのではなく、見守ることが大切だということがわかったと思います。
介入の仕方や子どもの対応は、子どもによってそれぞれです。
ですが、まずは子どもが自分で考える力を身につけていけると良いですね。
喧嘩だけでなく、いろんなことを子どもが自分で解決をしていきます。
それでも足りない部分は出てきますし、難しいこともあるでしょう。
そんな時こそ、大人が見守っていることを子どもには伝えて欲しいと思います。
一緒に考え、解決をしていくし、寄り添う大人がいると伝えて欲しいです。
それが伝わった子ども達が大きくなったら、同じように行動できる大人に育っているはずです。
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